花粉症
<目次>
1.花粉症の症状は?
2.花粉症の治療
3. 治療開始のタイミングについて
4. その他花粉症のためにできること
当院でも患者様の症状に合わせて、花粉症の治療を行っております。
近年、治療の選択肢も増えてきています。また開始のタイミングなど、効果的な治療法についてお伝えしていきます。
1.花粉症の症状は?
花粉症の主な症状には、以下のようなものがあります:
・鼻の症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり
・眼の症状:目のかゆみ、充血、涙目
・喉や皮膚の症状:喉の痛みやかゆみ、肌荒れ、湿疹
重症化すると集中力の低下や睡眠障害を引き起こすなど、生活の質を損なうこともあるため、放置せず医療機関で治療を行うことをおすすめします。
2.花粉症の治療
残念ながら花粉症を完治させることは難しいとされています。しかし、症状を軽減させたり、発症を抑えるための治療法がいくつかあります。
⚪飲み薬、点鼻薬、点眼薬(抗ヒスタミン薬、ステロイド薬)の使用
くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、鼻の炎症等を抑えることができます。
⚪舌下免疫療法
花粉エキスを含む薬を舌下に投与し、体を少しずつアレルゲンに慣れさせることで、花粉症の症状を根本的に軽減する治療法です。
舌下免疫療法のメリット
・症状の緩和だけでなく、根治が期待できる
・薬の服用量が減少し、副作用のリスクも低下する
治療の流れ
(1) 初回診察時にアレルギー検査を実施し、治療が適応となるか確認します。
(2) 指定された舌下免疫薬を毎日服用します(2~3年の長期治療が必要です)。
当院でも、舌下免疫療法の導入について相談や管理を行っています。特に重症な花粉症に悩む患者様に適した治療法です。
⚪花粉症ボトックス
花粉症ボトックス治療とは、ボトックスを浸したガーゼを鼻の穴に詰めて浸透させることにより、花粉症の症状を軽減させる治療です。ボトックスには神経伝達物質(アセチルコリン)をブロックする働きがありますので、その作用により鼻粘膜の副交感神経の働きを抑制することで鼻水の分泌を抑えるなど、花粉症の症状を軽減してくれます。注射ではありませんので、痛みはありません。
当院では、厚労省の承認薬であるアラガン社の「BOTOX VISTA(ボトックスビスタ)」を使用しております。
⚪保湿剤の使用
お肌が乾燥することでバリア機能が低下し、体内にアレルゲンが入りやすくなりアレルギー反応が引き起こされる可能性も高まります。季節によっておこる肌のかゆみやかぶれは花粉症の症状の可能性もあります。
保湿剤を使用したお肌の保湿が大切です。
3.治療開始のタイミングについて
花粉症の治療は、症状が出る前のタイミング(花粉飛散が始まる2~4週間前)に始めるのが最も有効とされています。
このタイミングで治療を開始することで、花粉が飛散し始めても症状を軽く抑えられる可能性が高くなります。(これを初期治療と呼びます。)
【初期治療が有効な理由】
(1) アレルギー反応を抑える準備ができる
花粉症の症状は、花粉が体内に入って免疫反応が過剰に起こることが原因です。症状が出る前から抗アレルギー薬を服用することで、免疫システムが過剰反応を起こしにくくなります。
(2) 症状のピークを軽減できる
初期治療により、花粉飛散が本格化した時期でも症状を抑えやすくなります。症状が強く出てからよりも症状を抑えやすくなります。
(3) 生活の質(QOL)の向上
初期から治療を始めることで、症状の影響を最小限に抑え、日常生活や仕事、学業への支障を減らすことが可能です。
4.その他花粉症のためにできること
⚪室内の花粉を減らす
外出時には顔にフィットするマスクや眼鏡を着用しましょう。つるつるした素材の衣服だと花粉がくっつきにくくなります。
自宅では空気清浄機の使用や室内の掃除を徹底し、室内の花粉を減らす工夫をしましょう。
また、花粉を自宅に持ち込まないように、帰宅時に玄関前で衣類やカバンについた花粉をはらうのも有効です。舞い上がった際に吸い込んでしまうのをさけるためそっとはらいましょう。
⚪アレルギー検査
アレルゲンの特定をし原因を明確にすることで、適切な治療方針や開始時期を見極めるのに役立ちます。当院では血液検査を採用しています。
お肌の症状に限らず、患者様に合わせた治療法をご提案していきますので、一度ご相談ください。