<目次>
1.水いぼとは
2.水いぼの症状は?
3.水いぼの感染経路
4.水いぼの診断方法
5.水いぼの治療方法
6.治療方針の決定について
7.日常生活での注意点
8.よくある質問
9.受診のタイミング
10.当院での診察について

 

1.水いぼとは

水いぼは、伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルス科)による皮膚感染症です。医学的には「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と呼ばれています。伝染性軟属腫ウイルスが皮膚にできた小さな傷や毛穴などから入り込み、皮膚の細胞に感染してウイルスが増殖します。
丸くて光った直径1~5mm程度の小さないぼで、できはじめは痛くもかゆくもありませんが、治りがけに赤くなってかゆくなることがあります。
小学生以下のお子様の体幹や四肢に多くみられます。大人ではまれですが、免疫力が低下している場合にうつることがあります。

水いぼの感染力はそんなに強くありませんが、プールなどでの皮膚接触でうつります。
水いぼを自分で掻いたりして内容物が別の部位に付着すると、増える可能性があります。
もともと乾燥や湿疹があり、かゆくて掻いてしまうと増えてしまうので、その治療を一緒に行うのが大切です。

 
 

2.水いぼの症状は?

見た目の特徴

・直径1〜5mm程度の小さなぶつぶつ
・表面は滑らかで光沢がある
・中央部分がくぼんでいる(臍窩:さいか といいます)
・色は皮膚色〜やや白っぽい
・痛みやかゆみは通常ありません

 

好発部位

・体幹(胸、背中、お腹)
・腕や脚
・顔(特に頬)
・首周り
・脇の下
通常は手のひらや足の裏にはできません。

 

水いぼ

 

 

3.水いぼの感染経路

直接接触感染

・患部に直接触れることで感染
・家族間での感染が多い

 

間接接触感染

・タオルの共用
・衣類の共用
・プールでの感染(ビート板やプールサイドを介して)
・入浴時のスポンジやタオルの共用

 
 

4.みずいぼの診断方法

視診

経験豊富な皮膚科医であれば、特徴的な見た目で診断が可能です。

 

ダーモスコピー検査

必要に応じて、拡大鏡を使用してより詳細に観察します。

 
 

5.水いぼの治療方法

当院では、患者様とご家族のライフスタイルやご希望を丁寧にお伺いし、お一人お一人に最適な治療方針をご提案いたします。

 

経過観察

そのまま放っておいても、半年~数年程度で抗体ができて自然に治ることが多いです。ただ、見た目が気になったり、プールの授業が受けられなかったりといったケースもありますので、発見したら何かしらの治療をすることをおすすめしています。

 

内服薬

・ヨクイニンの内服
ヨクイニンは新陳代謝を上げたり、免疫力を高める効果があり、イボの治療に有効と言われています。

 

外用薬

・銀イオン配合クリーム
銀イオン配合クリームは強力な抗菌作用を持ち、水いぼの治療にとても有効です。クリームの外用を開始して数週間~数ヶ月程度で水いぼが赤く変化していきます。悪化したように見えて驚かれる方もいらっしゃいますが、これは効果が出てきたサインです。その後1~2ヶ月程度で赤みが引いて平らになったら、治った証拠です。
保険適応外ですので、1本2,200円(税込み)での販売となります。

 

液体窒素療法

マイナス196℃の超低温液体窒素を綿棒を用いてイボにあて、ウイルスに感染したイボ組織を冷凍させることで、イボを治療します。

 

摘除術

専用のピンセットで、一つ一つ、つまんで取り除きます。

 
※液体窒素や摘除での治療は痛みを伴うので、ご希望の方には麻酔テープ(ペンレステープ)を使用します。
麻酔テープは水いぼよりやや大きめにハサミで切り、来院30分前に水いぼに一つ一つ貼って来院いただきます。

 
 

6.治療方針の決定について

患者様とご家族のライフスタイルやご希望をお聞きし、また症状に応じて治療を提案させて頂きます。
基本的には、痛みを伴わない内服薬、外用薬から始めて頂き、必要に応じて液体窒素療法や摘除術といった積極的な治療を追加していくのが良いでしょう。
お子さんが治療を嫌がったり、プールの授業までに治さなければならない、などの期限がなく、肌トラブルが少ない場合は、積極的な治療はせず、内服薬、外用薬のみの治療で様子を見るのが良いかと考えます。
逆に、夏のプールまでに治したいといった希望があったり、見た目が気になる、また、もともと肌が弱く、症状が広がるリスクが高い場合などは、積極的な治療を併用した方がよいでしょう。

 
 

7.日常生活での注意点

・衣服やタオルなどを共有しないようにしましょう。
・プールやお風呂の水ではうつりませんが、タオル、浮き輪、水着などを共有しないようにしましょう。
・プールの授業は、ラッシュガードなどで症状がある部位を覆えば問題ないですが、学校や施設のルールに従いましょう。
・治りがけに赤く、かゆくなることがありますが、なるべく掻いたりしないようにしましょう。
・乾燥や湿疹などの肌トラブルがあると、バリア機能が低下し、うつりやすくなります。適切なスキンケアを行い、皮膚を健康な状態に保ちましょう。
・通常の登校・登園は問題ありません。

 

水いぼの感染

水いぼの感染

 
 

8.よくある質問

Q. 水いぼは必ず治療しなければいけませんか?

いいえ、必ずしも治療は必要ありません。痛みやかゆみがなく、感染拡大のリスクが低い場合は経過観察も選択肢のひとつです。

 

Q. プールに入れませんか?

プールの水を介してうつることはありませんが、プールサイドや浮き輪、ビート板などを介した感染の可能性があります。学校やプール施設のルールに従ってください。

 

Q. 家族にうつりますか?

直接的な皮膚接触やタオルの共有などで感染する可能性があります。タオルの共用は避けるようにしましょう。お風呂の水を介してうつることはありません。

 

Q. 治療は痛いですか?

液体窒素療法や摘除術は痛みを伴いますが、麻酔テープの使用で軽減できます。外用薬や内服薬は痛みが少ない選択肢です。

 

Q. 再発しますか?

適切に治療すれば再発は稀ですが、新たな感染によりまた発症する可能性があります。

 
 

9.受診のタイミング

以下のような場合は、お早めにご相談ください。
・小さなぶつぶつが増えてきた
・水いぼかどうか判断に迷う
・プール授業の参加について相談したい
・家族への感染が心配
・治療方法について詳しく知りたい

 
 

10.当院での診察について

当院では、患者様とご家族のライフスタイルやご希望を丁寧にお伺いし、お一人お一人に最適な治療方針をご提案いたします。十分にご相談の上で方針を決定していきましょう。よくある疾患ですが、適切な診断と治療、またベースのお肌にトラブルがある場合はその治療も一緒に行うことが大切ですので、皮膚科専門医による治療が望ましいです。当院では、小さなお子様にも安心して受診いただけるよう、スタッフ一同心がけております。
水いぼに関するご不明な点やご心配なことがございましたら、お気軽にご相談ください。

 
 

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