<目次>
1.虫に刺された時の症状は?
2.虫刺されの原因となる虫は?
3.虫に刺された時の処置方法は?
4.受診の目安は?
5.虫に刺されないための予防方法は?

 

虫刺されは日常的に起こりうる症状ですが、受診が必要となる基準や、虫除け剤の効果の違いなどについてご紹介します。

 

1.虫に刺さされた時の症状は?

虫刺されとは、虫によって皮膚が刺されたり咬まれたりすることで起こる炎症のことを指し、医学的には「虫刺症」と呼ばれます。刺された部分は赤く膨らみ、腫れが生じ、かゆみや痛みを伴うことがあります。かゆみは虫が刺す際に注入される毒素や唾液などの成分によるアレルギー反応が原因で、痛みは咬まれた際の物理的な痛みに加え、虫が注入した物質が引き起こす刺激による場合もあります。

 

2.虫刺されの原因となる虫は?

虫刺されの主な原因となる虫は以下の通りです。
 

●蚊、ダニ、ノミ
これらは主にかゆみを引き起こします。

 
●アブ、ブヨ
これらに刺されると、強い痛みと腫れが見られます。
 

●蜂、ムカデ
刺されたり咬まれたりすると、激しい痛みやショック症状を引き起こすことがあります。
 

●毛虫
毛虫に触れたり刺されたりすると、小さな斑点が集まったような形で強いかゆみが生じるのが特徴です。

 
 

3.虫に刺された時の処置方法は?

虫に刺された場合、軽い症状であれば、市販の虫刺され用薬を使用するのが効果的です。
これらの薬には、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や、炎症を和らげるステロイドが含まれているものがあります。ただし、市販薬に含まれているステロイドは比較的弱いものが多いです(通常、ステロイドのランクは5段階のうち4番目または5番目に位置することが一般的です)。また、刺された部分を冷やすことも症状の軽減に役立ちます。

 
 

4.受診の目安は?

虫刺されは多くの場合、時間が経つと自然に治まりますが、次のような状況では医師の診察を受けることをおすすめします。
 

◇かゆみや腫れがひどい場合

数日経ってもかゆみが収まらず、腫れがひどくなる場合は、抗炎症の治療が必要です。強いかゆみで掻きむしると、二次感染やとびひのリスクが高まるため、注意が必要です。また、呼吸困難や顔の腫れ、全身にじんましんが現れるなど、アナフィラキシーショックの症状が見られる場合は、すぐに医師の診察を受けることが重要です。

 
◇じゅくじゅくして腫れている場合

かゆみで刺された部位を掻いて皮膚を傷つけると、とびひなどの感染症を引き起こすことがあります。赤く腫れてじゅくじゅくしていたり、熱を持ったり、膿が出る場合は早めに診察を受けましょう。

 
◇症状が長期間続く場合

虫刺されの症状が1週間以上続く場合は、医師に相談することをおすすめします。
診察時には、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬を含む塗り薬が処方されることが多いです。また、かゆみが非常に強い場合には、状況に応じて飲み薬のステロイドや抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。

 
 

5.虫に刺されないための予防方法は?

小さなお子さまは虫刺されに対する反応が強く出ることがあり、また掻いてしまうことで感染症を引き起こすリスクもあります。虫が多い場所に出かける際は、しっかりとした虫よけ対策を行うことが大切です。虫除け剤を使ったり、衣服で肌の露出を減らしたりすることが効果的です。

 
虫除け剤にはさまざまな種類がありますが、長時間にわたって高い効果を維持できる点では、化学成分を含むタイプのものが特におすすめです。ここでは、代表的な2つの成分について比較してみます。
 

成分 特徴 効果のある虫
ディート 顔には使えません
年齢による使用制限がある※
対象の虫がイカリジンより多い
蚊、ブヨ、アブ、マダニ、ノミ、イエダニ、ツツガム、トコジラミ、サシバエ
イカリジン 顔に使用可
かぶれるリスクが少ない
年齢による使用回数制限はない
蚊、マダニ、アブ、ブヨ

 

※ディートの使用制限について
6か月未満:使用不可
6か月~2歳:10%以下の低濃度ディートを1日1回使用が推奨されている
2歳~12歳:10~30%の製品を使用可。1日1~3回
12歳以上:制限なし
 

ディートやイカリジンの濃度は、その効果の強さではなく、効果の持続時間を示しています(例:ディート20%で約4時間持続するというデータがあります)。濃度が高い製品は長時間効果が持続するため、頻繁に塗り直す必要はなく、推奨される使用方法を守ることが重要です。
どちらの成分も高い効果が期待できますが、使用する場面や用途、対象となる年齢に応じて、ラベルの指示を確認しながら適切な製品を選ぶことが大切です。

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